夫婦円満の秘訣は「よく会話すること」ですが...
明治安田生命が2014年11月に発表した「いい夫婦の日」に関するアンケートによると、およそ8割の人が夫婦円満の秘訣は「よく会話をする」ことだと回答。しかも、「愛情を感じている」と答えた夫婦の方が平日の会話時間が長いことも分かりました。
一方で、「結婚当初はラブラブだったのに段々と話す話題がなくなってきた」、「夫とは話が続かない」といった声が聞かれるのも事実。特に子どもがいる家庭では、子どもとは話すけれど配偶者とは会話しない、という"仮面夫婦"も潜在的にいるようです。また、夫婦間では子どもの話題しかない、というのも危険な兆候。子どもの成長に伴い、夫婦間の会話がなくなってしまう恐れがあります。
そこで、カウンセラーの協力の元、仮面夫婦の危険度がわかるチェックリストを作成しましたのでご紹介します。あなたも是非チェックしてみてください。
仮面夫婦チェックリスト
- 1. 世間体を気にする方である。
- 2. 夫または妻に関心がなくなってきた。
- 3. 他人から良く見られたいと思っている。
- 4. 夫婦間の会話が減った。
- 5. ケンカは数年していない。
- 6. SEXレスである。
- 7. 夫または妻には、何を言っても無駄だと思っている。
- 8. 夫または妻が浮気をしても嫉妬しないと思う。
- 9. 離婚に対してマイナスイメージしか抱かない。
- 10. 夫または妻の気持ちを知りたいと思わない。
- 11. 自分の気持ちを知ってほしいとは思わない。
- 12. 夫または妻に感謝する心を持っていない。
当てはまる数が...
0 素晴らしいです!この調子で相手を思いやる気持ちを持って接してください。
1~3 まだまだ仮面夫婦とは言えませんが、仮面夫婦予備軍です。ひとつふたつ当てはまれば、どんどん増えていく可能性があります。パートナーと向き合う気持ちを忘れず過ごしてください。
4~6 ほぼ仮面夫婦です。日々のあなたの態度、相手の態度を振り返り、どうしてそうなったか考えてみましょう。そして、相手があなたに今までしてくれたことを思い出してみましょう。忘れているだけで、相手はあなたにたくさんの愛情を与えてくれていたかもしれません。
7以上 仮面夫婦の可能性が高いです。カウンセラーや信頼できる方に相談した方が良いでしょう。相手だけ、あなただけが悪いということはありませんので、お互いが招いた結果と認識し、ふたりの未来の為にも一度、ちゃんと向き合って今後のことを話し合いましょう。
夫婦の会話が続く5つのポイント
それではどうすれば夫婦でよく会話するようになるのでしょう。5つのポイントに絞って考えてみます。
なんでも話せる関係を保つ
結婚した当初は話すことに欠かないほど会話が弾んでいたのに、結婚生活が長くなっていくうちに次第に会話が減ってしまったという夫婦は多いのではないでしょうか。夫婦円満でいる秘訣は会話を増やすことですが、そのためにはなんでも話せる関係を保つことが大切です。
「話すことが特にない」「話題が思いつかない」という夫婦は要注意。会話がないと、お互いの考えていることを理解することが難しくなってしまいます。今日あった出来事や自分のこと、夫のこと、どんなことでも話してみましょう。テレビを見ながらのたわいない会話でもよいのです。
ただ、毎日ストレスがたまって愚痴ばかり言ってしまうという方は、会話の内容に少し注意が必要かもしれません。夫もだんだん上の空になって、会話も続かなくなってしまいます。夫への不満もためてしまわずその都度伝えましょう。
親しき仲にも礼儀ありと言いますが、「おはよう」や「おかえりなさい」「ありがとう」などの言葉も忘れずに。夫婦で一緒にいられる幸せを感じて会話ができるといいですね。
家庭の問題は夫婦で相談して決める
長く夫婦でいると、二人で相談して解決しなければならないこともたくさんあります。特に、子どもの教育やお金のこと、住宅の購入やリフォーム、自分たちの老後、それぞれの親のことや介護の話などは大問題。
一人で勝手に決められません。
どうしても避けては通れないこのような話題は後回しにせず、時間をかけて夫婦でじっくりと話し合いたいもの。時には考えの違いから喧嘩になることもあるかもしれませんが、話し合いを避けていたら一緒に人生を送ること自体が難しくなってしまいます。家庭の問題は夫婦で話し合うということが、夫婦円満で過ごす秘訣の一つです。
夫婦だけの時間をつくる
会話が少なくなる原因はいくつか挙げられますが、根本的な原因は夫婦だけの時間が少ないことにあるのではないでしょうか。
夫婦がそれぞれ仕事を持っていると、一緒にいられる時間も少なくなってしまいます。仕事が忙しく帰宅時間が遅くなれば、お互いに夜は顔も合わさずに就寝してしまうこともあるでしょう。さらに、子供を授かると育児と仕事、家事に追われ、それらに時間も気もとられる生活になりがち。子供が小さいうちは子育てに多くの時間がとられ、普段は子供との会話が中心となってしまうことも多いものです。
こうなると、夫婦でともに行動することだけでなく、夫婦一緒にいる時間も大幅に減ってしまうということも珍しくありません。
夫婦で一緒にいる時間が減れば会話する時間が減るのも当たり前。夫婦の会話を増やすためには、たとえ5分程度の短い時間でも、夫婦だけの時間を確保することが大切です。バタバタしがちな朝少しだけ早く起きて、会話をしながら朝食をとるというのもおすすめ。時間のある週末は寝る前に少しだけ一緒にお酒を飲んだり、たまには一緒にビデオを観たり。時間ができたらではなく、先に予定に入れてしまって時間をやりくりすることも時には必要です。
共通の趣味を持つ・相手の趣味に興味を持つ
忙しい夫婦が一緒にいる時間を確保するためには共通の趣味を持つことが効果的です。
仕事が忙しくても好きな趣味の時間はつくり出そうと努力するもの。その趣味が夫婦で共通していたら行動をともにする機会が増え、趣味の話題を通じて会話も増えるのではないでしょうか。
同じ趣味が持てないという時は、できるだけ相手の趣味について興味を持ってみましょう。何をするのか、どんなところが面白いのか、聞いたらきっと喜んで答えてくれるはず。全く興味がなかったことでも、話を聞いているうちに興味がわくこともあります。まずは相手の趣味を理解しようとすることが大切です。
スポーツの趣味は手軽に始められるタイプから競技に参加する本格的なものまでさまざま。まずは健康のためにジョギングなどから始めてみるのもいいでしょう。
夫婦で早起きして10分程度でも一緒に公園などを走ると気分も爽やかになり、会話も弾むかもしれません。また、テニスや卓球などであれば公式な試合に夫婦で参加するのもよいでしょう。より真剣にスポーツに取り組むことでお互いにアドバイスなどが多くなり、会話も当然増えるはずです。
音楽や絵に興味があれば、夫婦でスクールに通って勉強したり、音楽会や絵の展覧会などへ出かけたりするのもよいでしょう。好きなことを勉強するようになれば、お互いに教えあったり、評価しあったりすることも少なくないはずです。また、音楽会や展覧会に行けば、自然にお互いの感想を話し合い会話も弾むのではないでしょうか。
習い事ならどんなことでも会話を増やす機会になるので、趣味の対象を考えすぎる必要はありません。英会話、書道、囲碁、園芸、手話など夫婦のどちらかが興味をもっていて、他方が少しでも興味がわくものなら何でもいいのです。手軽に始められるものから取り組み、興味が薄れてきたらもう少し違ったタイプの趣味に移ればよいでしょう。「次はどんなことを始めようか」などと相談しあうこと自体が夫婦の会話を増やし、良好な関係の維持に役立つのです。
寝室を一緒にする
夫婦であれば寝室を一緒にするのは自然なことですが、結婚生活が長くなってくるとさまざまな理由から寝室を別々にする夫婦も増えてきます。しかし、寝室が夫婦で異なると顔を合わす機会が減り、会話をもつ機会も減ることになるのです。大事な夫婦の会話を減らさないために、夫婦は寝室を一緒にして5分や10分でも話をするように心がけましょう。
妻が夫や家族のために朝食を用意するご家庭は多いでしょうが、その場合妻は夫より早く起きることになり、朝起きてからの寝室での会話はほとんどないかもしれません。それでは寝室を一緒にしている意味が半減。できれば、夫を起こす際にお互いの今日の予定を伝えたり、確認したりするとよいでしょう。朝はあまり込み入った話はしにくいので連絡事項程度の話がよいのです。
朝と同じように就寝前のわずかな時間に今日あった出来事や子供のことなどを簡単に伝えあいましょう。ただし、あまり複雑な問題を持ち出すと話が長引き睡眠不足になる恐れもでてきます。そのため話は問題提起程度にとどめ、解決方法や答えについては余裕のある時間帯にするほうがよいでしょう。
就寝する時間が夫婦で異なる場合はどちらかが相手に合わす努力が必要です。ただし、就寝する時間帯が大きく異なる場合、相手の時間に常に合わせると体調を崩してしまうかもしれません。週末だけ就寝時間を合わせるなど、あまり無理せず各家庭の事情によって決めるとよいでしょう。
夫婦が年を重ねていっても会話を減らさないためには、なんでも話せる関係を保ち、時には二人だけの時間をつくることも重要です。仕事や子供のことで時間が奪われ夫婦だけの時間を作るのは容易ではありませんが、時間のやりくりを工夫すれば不可能ではないでしょう。
「そういえば最近会話が減ってきたかも」と思ったら、夫婦円満を保つためにもまずはできることから努力してみましょう。
柳生晴信
経営コンサルタントやFPの仕事のかたわら、仕事、住まい、食事、衣服、教育や結婚などさまざまな暮らしにまつわるテーマで記事を執筆しているライター。人の生き方は多種多様なので、多くのことに興味を持ち人々の生活に役立つ情報を発信できるようにガンバっています。