夫の両親と一緒にレジャーへ行ったら... ハプニング勃発！！

なんでも話せる仲だからプライバシーの境界線がわからない

結婚してから近所への外食はおろか、レジャーや旅行に出かけたことがほとんどなかったため、有給の取れる２か月前から綿密に旅行計画を立て、毎日指折り旅行までの日数を数えながら過ごしていた私たち。

結婚して5年目で夫の実家の近くに新築を建てた我が家は、普段から夫の両親とも仲が良く、なんでも話せる間柄でした。週に３回はお互いの家を行き来していましたし、3歳の息子の面倒もよく見てくれる、気のいいおじいちゃんとおばあちゃんという印象を嫁いだ時から感じていました。

そんな良い関係が崩れ始めたのが、つい最近夫婦で計画していた家族旅行でのことです。
運送会社に勤務し、なかなか有給を取れない夫が休めることとなり、家族で大分に温泉旅行に行こうという計画が持ち上がりました。

ある日、いつものように我が家の畑でできた野菜を持って夫の実家を尋ねると、玄関先で義母が落ち込んだ様子で立っていました。心配になりどうしたのか尋ねると夫から家族旅行の話を聞いたこと、家族旅行の話があがっているのに家族である自分たちが誘われていないことが不満だったと言うのです。
今回の旅行は私たち夫婦と息子だけの家族旅行にしたいと夫からは言われていたようですが、それでも納得できず私に頼んで自分たちも行けるように夫に交渉するようにと頼まれてしまいました。

断ろうとは思いましたが、夫の母親で普段から仲が良いということもありその場は「夫に相談します。」と返答し帰ることができました。
しかし大変だったのはその後でした。田舎でご近所同士が密接な関係にある私たちの近所に、義父母が「息子夫婦は自分たちだけ温泉で慰安旅行をして、いつも目をかけている私たちには全く声もかけてくれない。」と触れ回っていたのです。

世間体というものを気にしていたのもありますが、これ以上ご近所から余計な詮索をされたくなかったため、渋々義父母も家族旅行に同行していいと夫が決を下したのが旅行の1週間前のことでした。

金銭が絡むと人が変わる！？

旅行当日の朝からとにかくハプニングの連続でした。あれほど旅行に同行したいと言っていた義父母の寝坊により、乗車予定の電車に間に合わずやむなくタクシーで移動し、宿に到着してからも1週間前に急に同行が決まったために急きょ予約した部屋が気に食わないからと私たち夫婦に部屋を変わるようにと駄々をこねる始末。
結局、宿のスタッフの方の前で拗ねはじめた義母に飽き飽きし部屋を変わることになりました。この時点ですでにテンションダウンしていた私たち夫婦に追い打ちをかけるように、私たちの部屋を訪れた義父母かこう言い放ったのです。

「ご近所にお土産を買いたいからお金を頂戴。」

この発言についに堪忍袋の緒が切れた夫と義父母は言い合いを始め、大喧嘩に発展してしまいました。 その後、怒った夫は「同じ空気を吸いたくない」と宿をチェックアウトし近くのビジネスホテルに移動してしまいました。

残された私と息子も、いたたまれず夫のいるビジネスホテルに移動しようと受付に向かうと、義母に引きとめられ「お金を置いて行かずにどこかに行かれても困るわ！私たちお金はあなたたちが見てくれると思って一銭も持ってきてないの！普通年寄りにお金を払わせようだなんて思わないでしょ！」とすさまじい剣幕でまくしたてられました。このままではお金を渡すまで離してもらえないと判断し、財布に入っていた３万円を義母に渡し、夫のもとに足早に向かいました。

その後の２日間の旅行日程は温泉旅行という気分にはなれず、友人たちへのお土産を買って家路につくこととなりました。

大事なのは「ほどよい距離感」

この一件から私たちは夫の両親と距離を置くことを決意しました。最初のうちこそ旅行先での義父母の言動に腹を立て、「もう一生口もききたくないし、顔も見たくない！」と両親に会おうとしなかった夫ですが、日がたつにつれてその気持ちが薄れてきたのか、以前ほどではなくなったものの両親の家に顔を見せるようになりました。

しかし、そんな今でもやはりあの時の思い出が頭をよぎり、息子の行事予定や家族で出かける話などは両親の前でしないようにしようという夫婦の中の暗黙のルールができあがりました。

義父母サイドも、旅行での言動を反省しているのかいないのか以前のように詮索することもなくなり、たまにしか会いに来ない自分の息子と孫との距離感をうまく調整できてきているように思えます。

「親しき仲にも礼儀あり」と言うように、よい距離感をつかむことが義理の実家とのより良い関係を築く最良の手段だということが学べたように思えます。