産後1か月間の苦難・・・
私のお腹に小さな命が宿ったのは、主人と入籍してから2ヶ月後のことでした。もともと私は子どもができにくい体質であると医師に告げられ、一方の主人は独身時代に受けた手術で精巣の一部に傷がついてしまっている状態でした。そのため、無事に赤ちゃんに出会えたときは素晴らしい奇跡に感謝しました。
その感動もつかの間、多くのママたちがそうだったように、産後1ヶ月間は苦難の連続。
昼夜問わず1日中泣き続ける赤ちゃんをあやし、授乳し、オロオロする日々。
私の腕の中でしか眠ってくれない赤ちゃんを抱き続け、毎朝夜明けの空を眺めていました。
当時主人はちょうど仕事の繁忙期に当たっていたため、帰宅は深夜になることもしばしば。お互いに、気持ちはギリギリの状態でした。
産後鬱の私に、天使の言葉が!!
出産から1ヶ月後に迎えた乳児健診では、赤ちゃんの健康状態は良好。
一方の私は精根尽き果てたボロボロの表情で、ふと気が緩めば涙が出てくる産後鬱の状態になっていました。そんな中で迎えた1周年の結婚記念日は、ちょうど祝日。一日中家族で過ごすことができると主人は喜んでいたのですが、私は朝から気分が優れずふさぎ込んでいたのです。
すると主人がおもむろに、オムツの場所、ミルクの作り方、抱っこ紐の使い方などを確認し始め、「今日はママ休暇。少し息抜きしておいで」と私を送り出してくれたのです。
普段、赤ちゃんの世話などしたことがない主人にすべてを任せるのは不安でしたが、1ヶ月間外に出られず鬱々としていた私は少しの間外出させてもらうことに。 久しぶりにメイクをしてワンピースに袖を通し、繁華街へ出かけました。カフェで食事したり、書店で本を立ち読みしたり、ウィンドウショッピングをしたり。 今まで当たり前だったことが途方もなく新鮮で、忘れていた自分を取り戻したような感覚を味わいました。
心温まるプレゼント。そして、反省・・・。
たっぷりと自由な時間を満喫し帰宅すると、テーブルの上には花が飾られ、キッチンから何やらいい香りが。ふと目をやると、
赤ちゃんをおんぶしながらパスタを茹でる主人の姿がありました。
驚く私に、「君が普段どんな気持ちで生活しているんだろうと考えていたら、感謝を形にして伝えたくなった」と主人は言いました。
その言葉に涙が溢れ、私はしゃくりあげながらパスタを頬張りました。同時に、毎日メイクもせず、部屋着のままで髪はボサボサ。主人とゆっくり会話する時間も取れなかった私こそ、彼に寄り添う気持ちを忘れていたんじゃないだろうか、と深く反省しました。
お互いに気持ちに余裕がない状態で迎えた結婚記念日だからこそ、お互いに歩み合う機会に。そう気づかせてくれた主人の行動に、この人とならどんな困難も乗り越えられると改めて感じました。
お互いに別々の環境で育ってきた者同士、意見の食い違いやライフスタイルのずれがあるのは当然です。結婚記念日は、そうした2人が惹かれ合って夫婦になった、原点の記憶に回帰する機会。1年に1度、いつもよりほんの少し相手を思いやってみませんか?
tomom
国際遠距離恋愛を経て結婚。一児の母であり、主婦であり、ライターをしています。子育ても仕事も趣味も、全部欲張りに生きることが目標。みなさんのお役に立てるような情報を発信していきたいと思っています。