1.お年玉のはじまり
お正月に年神様(新年の幸せをもたらしてくれる神様)を迎え入れるために、多くの人が家を綺麗にした状態で門松を飾っておきます。さらに鏡餅を用意する人も多いと思いますが、これは年神様への供え物として飾るものです。
お供えをした後に、無病息災を祈る気持ちで年神様のお下がりである鏡餅をいただくということが長い間行われてきました。この鏡餅に年神様の魂がこめられていると考えていた人々が「おとしだま」と呼び、現代の「お年玉」へとつながっています。年神様からいただくありがたい「おとしだま」を家族の長などが金銭の「お年玉」として子供に分け与える形となりました。
2.お年玉の相場
お年玉の額については渡す側の立場と渡される子供の年齢によりばらつきがあります。一般的に多いとされるパターンでの相場をご紹介します。
- 未就学児:1,000~2,000円
- 小学生(低学年):1,000~3,000円
- 小学生(高学年):3,000~5,000円
- 中学生:5,000~10,000円
- 高校生:10,000円
総務省の統計においても元日は消費支出の多い日となっており、お年玉などの贈与金の影響とされています。年齢が上がるにつれてお年玉を渡す子供の年齢が上がるためか支出としてのお年玉総額も20代より30代、30代よりも40代といった形で50代まで上がり続けるデータとなっています。
3.ポチ袋の書き方
ポチ袋の書き方では、渡す相手が子供だということを意識すると良いでしょう。わかりやすく表面に「○○ちゃんへ」「○○くんへ」と書きます。名前の漢字を理解しているかどうかわからない子供の場合はひらがなにしておくと安心です。
また、裏面に書く渡す側の名前も子供がわかりやすいように「○○おじさんより」といった書き方が望ましいでしょう。子供が大きくなったら年齢に合わせて漢字にするなど書き方を変えていけばいいですね。
4.ポチ袋への紙幣の入れ方
ポチ袋に入れる紙幣は新札を用意することが一般的です。折り方を三つ折りにするとポチ袋に丁度良くおさまります。紙幣の肖像がある面を上向きにし、左側を先に折り、その後右側を折るという順序です。
千円札の例で、三つ折りにしたときに中央に富士山、下部に1,000という文字となるこの向きがそのまま表となります。ポチ袋の表側に合わせて入れましょう。また、上下逆とならないように注意してくださいね。未就学児に500円の硬貨を入れて渡すパターンもありますが、「日本国、五百円」」という刻印と絵柄のある方が表となります。
5.渡し方のマナーや喪中の場合について
お年玉とはいえ金銭を渡すことになりますから、子供だけがいる状況のときではなく親も見ている場で渡すのが基本的なマナーです。親もその場でお礼を言うことができますし、子供が誰からお年玉をもらったのか把握することができます。
喪中の場合、一般的に90日を超えていればお年玉を渡しても良いとされています。また、90日といった縛りにとらわれず他のお祝い事とは別としてお年玉を渡しても良いという考え方もあります。親戚同士で話し合ってあらかじめ決めておくと安心ですね。
お年玉は年神様からいただく幸せを分け与える大変縁起の良い風習です。一年の始まりに行うことでもありますから、マナーを知って気持ち良くこなしたいですね。予定外の子供と会うケースもありますから、もしもの場合に備えて予備のポチ袋と紙幣を用意しておくと慌てずに済みます。バッグの中に入れておき、安心してお正月の楽しい雰囲気を楽しみましょう。
ここしあも
専業主婦として育児に専念していたものの、FP2級取得をきっかけにライター業を開始。生活に密着した相続のことや教育費など、お金に関する話をわかりやすく伝えられるよう日々修行中です。またお金以外の健康やマナー、美容分野などにも興味があり、「読んで良かった」と思ってもらえる記事を一つでも多く発信していきたいと思っています。