出発の朝、まさかの失敗
自営業で毎日遅くまで働いてくれていた両親に感謝の気持ちを込めて、銀婚式のお祝いでグアムへ家族旅行に行きました。
両親、私、2歳下の弟、10歳下の弟の5人での旅行は初めてで、本当にいろいろなことが起きました。
まずは出発の朝の出来事です。グアムへのフライト時間が朝早く、また母が初めての海外旅行であるということもあり、前日は空港近くのホテルに宿泊しました。母は前日からテンションが高く、本当に旅行を楽しみにしている様子でした。「パスポートある!カードも飛行機のチケットもある!よし、大丈夫!」と忘れ物チェックをする母を、とても微笑ましい気持ちで見ていました。
翌日、ホテルをチェックアウトしてバスで空港に向かう途中、私はふと、母がちゃんとパスポートを持ったかどうかが気になりました。「パスポート、ちゃんとカバンに入っているよね?」と母に尋ね、母が確認したところ...なんと「あれ?あれ?パスポートがない!」と。なんとホテルにパスポートを忘れてきてしまったのです。バスはすでに走り始めてしまっており、「運転手さん!パスポート!」と意味不明な言葉でバスを止めていただきました。
結局、普段からよく空港を利用し、空港内の位置関係を把握している私がパスポートを取りに戻るはめになりました。ホテルに戻ると、パスポートはきれいにテーブルに並べられていました。無事に飛行機にも間に合い、どうにかグアムに向かうことができましたが、なんともいえない雰囲気が漂う旅のスタートとなりました。
全然楽しめない!?マリンスポーツをする弟
グアムといえば海ということで、マリンスポーツを楽しむことになりました。まずはパラセイリング。空を飛ぶような感覚が楽しくて大はしゃぎしてしまいました。が、ふと横を見ると、なんと2歳下の弟は恐怖のあまり固まっているのです。そんな弟が気になり、私が楽しめたのはほんの一瞬だけで、終始弟の様子見ていました。弟は体験が終わるとぐったりしていました。
気を取り直して次はシーウォーカーへ。私と10歳下の弟が色とりどりの魚たちを目の前に楽しんでいる横で、またしても2歳下の弟は具合が悪そうな様子。耳抜きができず、すぐに浮上していました。そんな2歳下の弟を家族でいじり、心配をかけたお詫びにと罰ゲームで夕食をおごらせることに決まったのです。
レストランではもちろん日本語が通じないのですが、母親はそれでも全て日本語で店員さんに話しかけます。どうせ注文したかったお料理は届かないだろうと期待しないでいると・・・なんと母が頼んだお料理がテーブルに運ばれてきたんです!あまりにも驚いたので、店員さんにどうして分かったのかを聞いてみたところ「なんとなく分かった」と。はじめての海外旅行のはずなのに、母、たくましいです。
どうしようもない...。救命胴衣が仇となる
前日の2歳下の弟のことが気になりつつも、翌日もマリンスポーツを楽しむことに。次はバナナボートに挑戦、結構楽しい!家族でワイワイ楽しみ、ラストカーブを迎えた時のことでした。なんと、10歳下の弟の腕につけていたコインロッカーの鍵が海に落ちてしまい、みるみるうちに沈んでいってしまったのです。もちろん弟は急いで鍵を取ろうとしましたが、安全のためにつけていた救命胴衣のせいで潜れず、沈んでいく鍵を見つめることしかできませんでした。
すべての荷物をコインロッカーに預けていた弟は、仕方なく鍵の保証料5,000円を支払い、ロッカーを開けてもらうはめに。バナナボートは楽しかったけれど、弟にとっては痛い出費となりました。
いつか家族をもったら
旅の最終日の夜、この旅行のメインでもある両親の銀婚式のお祝いをしました。グアムのきれいな夕暮れの中、サンセットディナーをみんなで楽しみました。
両親が結婚し、私たち兄弟が育ってきた楽しい日々を思い返し、話はとても盛り上がりました。
楽しい時間を終えてホテルに戻り、シャワーを浴びようと蛇口をひねったものの...お水しか出ない。どうしたらお湯が出るのかと試していると、シャワーのホース部分が暴れだして水浸しになる始末。結局、そのまま朝を迎えました。
翌朝、「どうしてこんなにもいろいろなことが起こるんだろう?」と私は母に言いました。すると、母はこんな風に答えました。「こんなことは昨日や今日始まったことじゃない。あなたたちが生まれてからずーっとそう。でも、だから我が家には笑い声が絶えないんだよ!家族みんなで一緒に過ごす楽しい時間は、本当に幸せな時間。私は大変だなんて思ったことは一度もないよ、だって、楽しんだから」と。
家族旅行は本当にいろんなことが起こります。でも、こうしてどんなことが起こっても、家族だから楽しい思い出に変えていくことができるんでしょうね。
私にもいつか家族ができたら、母のようなお母さんになりたいです。そして、私たち家族のような家族を作っていきたいと思います。

さくらいろ
主人とは7年お付き合いをして結婚しました。そして今、早いもので結婚8年目を迎えています。ふたりの共通の趣味は食べること。記念日はおしゃれなお店でディナーを楽しむことが定番になっています。