見舞金をお渡しするのはどういう時?
身内や親しい人が病気やケガで入院した場合、お見舞いの品や見舞金を持っていきます。お見舞い品にするか見舞金にするか迷うこともありますが、特に決まりはありません。
見舞金は、「相手が喜んでくれる品が分からず、お見舞金を渡して役立ててもらおう」という気持ちのこもったものと考えていいでしょう。
それほど親しい間柄でない場合、見舞金をお渡しするとかえって困らせてしまうようなことがあるかもしれません。
その時はお見舞い品を持参すればいいですし、相手が親しい間柄であれば、お見舞金をお渡しすることでとても喜ばれることもあります。
あくまでも相手との関係によってお見舞い品にするか見舞金にするか決めましょう。
見舞金にも相場がある!・・・包むべき金額とは?
見舞金として包む金額にも相場があります。
相場よりも多すぎても少なすぎても良くないのです。金額はお渡しする相手との関係性によって違います。
相手別見舞金の相場
- 相手が兄弟や親せきなど身内の場合:5,000円~10,000円
- 知人や友人の場合:3,000円~5,000円
- 仕事関係の場合:3,000円
夫婦でお見舞いに伺う場合も、包む額は同じで構いません。仕事でお付き合いがあるという場合、何人かで見舞金を出し合うことも多いと思います。
代表でお見舞いをするという場合でも、1人当たり3,000円程度の金額を人数分まとめて包み、お渡しするようにしましょう。
これは避けたい・・・見舞金が少なすぎるとどうなるか?
お渡しする見舞金が相場よりも少なかった場合、どうなるのでしょうか。
見舞金はあくまでもお渡しする側の気持ちを表すものですが、渡す側の立場や相手との関係性から考えて相場よりも少なすぎると、他の人からの見舞金と金額に差が出てしまいます。
見舞金を受け取った側は、退院後、その金額の3分の1程度のお返しをするのが一般的です。
見舞金の額に差があると、お返しに困ってしまうことにもなりかねません。
逆に、相場より多すぎるのも考えものです。受け取った方が、お返しに困るというだけでなく、気持ちの負担にもなりかねません。
どんなに親しい人であっても、見舞金は10,000円程度に収めておくのがいいでしょう。
見舞金のマナーにも気をつけて!
見舞金をお渡しする際に気をつけたいのが、タブーとなる金額です。実は見舞金では避けなくてはいけない金額があります。
それは、4、6、9が絡む金額です。4は死を、6は無を、9は苦を連想させるのでよくないとされているのです。
特に、会社関係の方のお見舞いの際は何人分かの見舞金を合わせて持っていくことも多いものです。図らずも4や6、9といった数字の金額になってしまうことがあるので注意が必要です。
入院は何かとお金がかかるもので、見舞金をいただくと助かるという場合も多いのですが、目上の方に現金を渡すのもマナー違反とされています。
そのような時は、お見舞い品をお渡しするか、どうしても相手が喜ぶ品が思い浮かばないという時は、商品券やギフト券を包むようにしましょう。
自分より格が上の方のお見舞いに一人で伺うのは失礼とされています。
仕事上関係がある方であれば、上司と相談して、相手にふさわしい方に同席してもらうようにするのがマナーです。
見舞金の渡し方のマナーは?
見舞金を包む時は紅白の祝儀袋を使います。
入院ということで祝儀袋に抵抗がある方は、白い封筒に包んでお渡ししても構いません。
祝儀袋の場合は、水引が「結びきり」のものを使いましょう。「蝶結び」では、ほどけてしまうため、「何度も入院を繰り返す」という意味になってしまいます。
見舞金を渡すタイミングは、相手に会ってすぐで構いません。病院の面会の場合、長居するのは相手の負担にもなるので避けたいもの。
「何かお品をと思いましたが、お見舞い品の代わりに」といった言葉とともにお渡しすると失礼がありません。
もちろん、相手を気遣う言葉も必ずかけるようにしましょう。お見舞いは、必ずしも夫婦で行く必要はありません。
普段から親しくお付き合いをしている親戚や共通の友人の場合はいいのですが、病気やケガで入院をしている時は、弱っている姿を見られたくないという心理が働くものです。
必要のない場合は、夫婦でのお見舞いは避けるというのもひとつのマナーです。
親しい人などが入院をした時にお渡しする見舞金にもマナーがあります。
独身時代と結婚後でもマナーにあまり変わりはありませんが、お見舞いの機会は突然にくることが多いので、あらかじめ基本的なマナーを知っておきましょう。
もちろん、入院をしている時は心身ともに弱った状態にあるということを忘れずに。相手を思いやる気持ちを言葉や行動で表すのも最低限のマナーです。
岩田美貴
金融関係の出版社勤務を経てファイナンシャル・プランナーとして独立。FPとしての20年の経験をもとに、暮らしにまつわるさまざまなお金の問題に積極的に取り組んでいる。日本FP協会認定CFP。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。