入学祝いの相場は?基本の金額を知っておくと安心

入学祝いの相場は?基本の金額を知っておくと安心

親戚同士での入学祝いのやりとりは大事なお付き合いとなります。同じ子供に対するお祝いであっても、小学校、中学校、高校等と複数回行うことが一般的。相手からいただく場合もありますから、バランスを考えてこなしていけると良いですね。入学祝いの基本的なマナーについてご紹介します。

入学祝いの相場

入学祝いの相場は10,000円となっています。地域による差も多少見られ、例えば沖縄には親戚や友人など多くの人を招待してお祝いをする地域があり、出費が多くなることから5,000円とするケースもよく見られます。なお、入学祝いは基本的に親戚同士でのやりとりとなっていますが、友人同士で贈る場合の相場は3,000~5,000円です。

小学校や中学校まではともかく、高校、大学などの場合の金額が気になる人も多いことでしょう。国民生活金融公庫総合研究所で調査を行った結果を参考までにご紹介します。調査対象として中学校、高校だけでなく専修・各種学校、短大、そして大学まで含まれています。この調査によると9割以上の子供が入学祝いをもらっており、そのうちの約9割が現金でもらっています。

金額は祖父母とおじ、おばがやや高めでその他の親戚は相場通り10,000円前後という結果となりました。祖父母からのお祝い金の平均額は中学、高校が約40,000円、専修・各種学校と短大が約50,000円、大学が約60,000円です。おじ、おばからのお祝い金は約20,000円が平均となっています。

品物で贈る場合と贈るタイミングについて

入学祝いは現金で贈るケースが多いものの、品物による贈り方にも一定の人気があります。定番の文房具の中でも最近の傾向として人気なのが電子辞書となっています。電子辞書は数万円という高価なものであることから、喜ばれるケースが多いとのこと。他にも昔ながらの学習机や地球儀というケースもあります。

通学のためのランドセル、腕時計や定期入れ、自宅学習に使えるようにとパソコンを贈るケースもあります。バッグや制服といった学校生活の必需品も選ばれます。こうした品物を贈る場合には、他の人からの入学祝いと重ならないようにする配慮が必要です。事前にどんな品物がいいのか確認しておくと間違いがないでしょう。

卒業と入学が重なったときにどちらをお祝いすれば良いのか迷うケースがあります。そのようなときは入学祝いにすると良いでしょう。入学時には何かと出費が増えます。そのため、入学式の2~3週間前、遅くとも1週間前くらいまでに贈るのが望ましいとされています。品物で贈る場合は早めに品物の内容について確認しておくことが大切です。入学準備に関わる品物の場合も早めのタイミングで贈ることが良い気遣いとなります。

のし袋の書き方と選び方

入学祝いでは「蝶結び」ののし袋を使用します。蝶結びは何度でも結び直すことができますから、何度あっても良いお祝い事に使用されます。一方、結婚祝いは一度でいいものですから「結びきり」ののし袋が使用されています。

のし袋には水引の蝶結びがついたものと印刷されたものがあります。入学祝いで一般的とされる10,000円の場合は印刷されたのし袋を使用します。金額を多めにする場合に水引のついたのし袋を使用すると良いでしょう。

水引のついたのし袋の包み方でポイントとなる裏側ですが、結婚式や入学祝いなどの慶事用では「下から上」となる方を外側にします。縁起の良い感じがしますよね。そのイメージで覚えておくと良いでしょう。弔事のときは「上から下」となる方を外側にすればいいということになります。

のし袋の蝶々結びの下中央に氏名を書きます。夫婦連名にする場合は右が夫、左が妻です。名字は2つにしても夫側だけにしてもどちらでも良いでしょう。上側に「祝御入学」「御祝」「御入学祝」等と印刷されていないのし袋の場合はいずれかを書きます。

中袋のついているタイプののし袋のときは、表側中央に「金参萬円也」のように金額を書きます。「壱」「弐」「参」という漢字を用います。裏側左下に住所と氏名を書きましょう。また、裏側に金額記入欄のある中袋の場合もあります。そのようなときは裏側に金額を書き、表側の左下に住所と氏名を書きます。

入学祝いのお返しについて

入学祝いのお返しは必要ないと言われており、マナー本にも不要と書かれているパターンがよく見られます。いただくのが収入のない子供であるため必要ないとされています。しかし、現実にはお返しの内祝いをする場合としない場合があります。地域の風習や親戚内のルールによって変わり、正解は一つではないということを知っておきましょう。周囲の人や親戚にあらかじめ確認しておくことが大切です。

また、内祝いをしない場合においても電話や手紙でお礼の気持ちを伝えることは忘れないようにしましょう。子供がマナーを学ぶ大事な機会にもなります。なお、血縁関係の近い場合にお返しをしないことが多い傾向となっています。祖父母、おじおば、それ以外の親戚と関係が遠くなればなるほどお返しをする割合が高くなります。

国民生活金融公庫総合研究所の調査結果でも、お返しをした割合は祖父母で約3割、おじおばで約5割、その他の親戚で約6~7割、血縁関係のない友人等で7~9割とはっきりその傾向が表れています。いただいた金額の1/3~1/2程度の品物を内祝いとして選ぶことが一般的です。お菓子や珈琲、紅茶といった消え物やカタログギフトが人気となっており、のしはあってもなくても良いでしょう。のしをつける場合は内祝いとし、子供の名前を入れます。送る時期は入学式の1ヶ月以内が望ましいとされています。

入学祝いの相場はほぼ10,000円となっており、他のお祝い事に比べて金額に悩むことの少ないマナーとなっています。しかし、親戚の子供の入学タイミングを忘れてしまうことが心配な人もいるようです。結婚をしてお付き合いが増えると、お祝い金の金額やタイミングを覚えてやりとりのバランスを合わせるのが大変なこともあります。その場合はお付き合い用の記録ノートを1冊作っておくと安心です。

専業主婦として育児に専念していたものの、FP2級取得をきっかけにライター業を開始。生活に密着した相続のことや教育費など、お金に関する話をわかりやすく伝えられるよう日々修行中です。またお金以外の健康やマナー、美容分野などにも興味があり、「読んで良かった」と思ってもらえる記事を一つでも多く発信していきたいと思っています。

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