結婚記念日は二人のために。1000年の愛を誓う。

結婚記念日は二人のために。1000年の愛を誓う。

10年目や20年目の結婚記念日に夫から指輪やネックレスを送られる・・・。そんな結婚記念日のイメージはいつから広がってきたのでしょうか。かくいう私も実はそんなプレゼントを期待してしまったこともありました。しかし夫の考え方は違ったようです。

結婚記念日は、二人の新たなスタート

「結婚記念日は二人にとって記念すべき日。今日まで仲良く暮らしてきた事を喜び、次の10年も幸せな時間が過ごせるようにお祝いしよう。」

夫の言う通りです。結婚記念日は妻に感謝する日ではありません。
10年目の結婚記念日では結婚式を挙げたホテルのレストランでのディナーを、少しおしゃれをして二人で楽しみました。そうして数年前、20年目の記念日がやってきました。

20年目の結婚記念日、行き先は「屋久島」

20年目の結婚記念日は、私よりもむしろ夫の方が強く意識していました。結婚してすぐに子どもを授かったので、子どもも成人を迎え夫婦としての絆が強く感じられる節目と考えていたのかもしれません。

「20年目の結婚記念日は屋久島に行かないか。今年は屋久島も世界遺産に認定されて20年目なんだ。記念日に縄文杉を見に行きたい。」

本心を言えば、「どうして屋久島?」と思いました。「旅行に行くならハワイでしょう!」とも思いました。でも夫が目を輝かせて「屋久島に行きたい。」と言うので、仕方なく「そうしましょう。」と言ったのでした。

最初は期待していなかったけれど・・・星降る夜空に感動!

登山などの経験もない私は最初のうちは縄文杉ツアーに気乗りがしなかったのですが、準備を重ねていくうちに次第に待ち遠しくなっていきました。夫が「縄文杉ツアーは結婚記念日当日に」とこだわっていたので、ツアーは屋久島梅雨入り直前の5月15日です。

朝4時頃、お迎えの車を待つためにホテルの外に出るとそこには満点の星空がありました。都会育ちの私たちはその日初めて本物の天の川を目にしたのです。降るような星空を眺めているとひとつ、ふたつと流れ星が流れます。思わず私たちは互いの手をぎゅっと握りしめ、ただただ黙って星空を眺め続けました。

たくさんの祝福と「夫の涙」

縄文杉ツアーは登山初心者にはなかなかハードな道行でしたが、私たちが結婚記念日登山なのだと言うと、途中の夫婦杉の前やハートの形に空が見えるウィルソン株のところで、ガイドさんや同行の皆さんに盛大に祝福していただきました。
目標の縄文杉は霧に包まれ、差し込む日差しにその巨体が優しく囁いているように見え、とても神秘的な姿でした。

私の手を握りしめながら隣に立つ夫を見ると、なんと涙ぐんでいるのです。びっくりして私まで涙ぐんでしまいました。

記念日をきっかけに深まった夫婦の絆

その日ホテルに戻り屋久島の焼酎「三岳」で乾杯しながら、夫は冗談めかして
「1000年たっても変わらない愛を誓うよ。」と言いました。
「1000年生きられないから!」と返しましたが、とても嬉しかったです。

縄文杉を含めて屋久島の持つ悠久のパワーを満喫するという旅の中で、新たに夫婦の絆を誓い合うことができました。

これから先も二人一緒に歩んでいきたい

結婚して20年も経つと夫婦の関係も家族のあり方も結婚当初とはずいぶん違ってきます。
ここまで来るまでには良いこと、楽しいことばかりではもちろんありませんでしたし、所詮は他人だと思っていた時もありました。
でも20年経ち、確かに私たちは夫婦としての年輪を重ねてきていました。これからは子どもたちと過ごす時間よりも夫婦で過ごす時間の方が長くなっていくことでしょう。そんな20年目の結婚記念日を心に刻むことができたことに深く感謝しています。

結婚3年目。朝はオカメインコと戯れ、朝夕は犬と散歩をし、夜には料理に合わせたアルコールを楽しむのが日課です。ライターという仕事はそんな何気ない毎日に情報という刺激を与えてくれます。

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