美容師夫婦による『不満を洗い流すシャンプー』。果たして結果は・・・

美容師夫婦による『不満を洗い流すシャンプー』。果たして結果は・・・

みなさんは最近、パートナーに不満や悩み事をきちんと伝えられていますか?結婚前よりも一緒に過ごす時間は長くなったはずなのに、二人の会話は減ったような気がする......そんなご夫婦も少なくないはず。
特に相手への不満といったネガティブな言葉は、お互いの忙しさや家庭内の雰囲気を考えると、堪えたり飲み込んだりしてしまいがちですよね。
そんな気持ちを、その夫婦に合った伝え方で解消することはできれば......そんな思いで今回は、それぞれの夫婦に合った「話し合いのカタチ」を探してみました。

ご協力をいただいたのは、こちらのご夫婦

間島勇大さん(32歳)とconさん(32歳)ご夫妻 『美容室Gigi』のオーナー・ディレクターの間島勇大さん(32歳)とconさん(32歳)ご夫妻

お二人は5年間のお付き合いを経て、昨年の9月に入籍されたばかりの新婚さん。家も職場も同じということで、365日を共に過ごしています。

まずはお二人について簡単にインタビュー

――まずは、お二人の出会いから教えてください。

勇大さん:以前勤めていた美容室で出会いました。conさんは職場で唯一の同期だったということもあって、比較的すぐに仲良くなりましたね

――では、先に好きになったのは......?

勇大さん:家が近かったこともあって、一緒に帰ったり飲みに行ったりするうちに......といった感じだったので、どちらともなく......

conさん:でも、先に好きになったのは勇大さんでしょ?

勇大さん:はい。まぁ、そういうことですね(笑)

どこからどう見ても公私共に最高のパートナーである間島夫妻。「本当に不満なんてあるのか?」と、取材陣が不謹慎にも企画の心配をしてしまうほど仲睦まじいお二人ですが、ここは一つ、お二人には腹を割って話していただきましょう。

美容師夫婦ならではのカタチ「不満ごと洗い流すシャンプー」

お二人とも美容師さんということなので、お互いにシャンプーをし合いながら不満をぶつけ合っていただくことにしましょう。

シャンプーは、頭皮と心の汚れが洗い流される至福の時間。肌は触れ合うけれど、目と目は合わない。そんなシャンプー台だからこそ、素直になって話せることがあるはずです。

まずは奥さまから、旦那さまへシャンプー

先攻、奥さま。まずは奥さまが旦那さまにシャンプーをしながら不満をぶつけます。

――奥さまにシャンプーをしてもらうことは、普段ありますか?

勇大さん:すごく疲れた日の夜は、よくしてもらいますね

conさん:正直、面倒臭いんですけどね(笑)

面倒臭いと言いつつもさすがはプロ。絶妙な指使いで、ふんわりと泡を立てながらのシャンプーは、とても気持ちがよさそうです。

――お二人とも職場が同じということですが、お仕事をされている時の不満はありますか?

conさん:それは特にないですね!

勇大さん:そこに関して僕はいっぱいありますけどね

conさん:えっ!? でも、私生活に関してだったら私も色々不満はありますよ? まず靴下は常に脱ぎっぱなしだし、靴も脱ぎっぱなし。私がいつも掃除するのに、勇大さんは帰ってきたそばからすぐ汚すし......

勇大さん:ウソだー。そこまでじゃないでしょー

conさん:気付いてないだけでしょ。食べたら食べっぱなしだし、ご飯を作っても感想も言わないじゃない?

勇大さん:ご飯と言えば、何年も前のクリスマスのことを、今でもすごく根に持っているみたいなんですよ

conさん:そうそう。ある年のクリスマスに、2時間以上かけて料理をしたんです。彼の喜ぶ姿を想像して、頑張って何品も料理を作ったんですよ!
それなのに勇大さん、仕事から帰って来たと思ったら、無言で10分くらいで食べ終えちゃったんです!
そして何も言わずに寝ちゃったんですよ! きっと外で何か機嫌を損ねることがあったんでしょうけど、この時ばかりは『結婚するの止めようかな』って思いましたね(笑)

――仲良しなお二人にもそんなことがあったのですね!

勇大さん:こう聞くとあれですね。プライベート最悪ですね(笑)。でも、それぞれに役割があるので......。僕の家での役割は洗濯物ですから!

conさん:え、やってないじゃん......

勇大さん:ウソだよー。5回に1回は僕だよー

conさん:10回に1回くらいです!

勇大さん:............

沈黙する勇大さん

conさん:あと、出かけた時もケータイしか見てないよね。一緒に買い物に来ている意味あるのかな?って思っちゃうときがあるよ

勇大さん:SNSをチェックしてるんだよ。確かにその気持ちも分かるんだけど、やっぱり職業上、生の情報を仕入れて発信していかないと......!

conさん:でも、買い物中まで発信しなくてよくないですか?

――お互いの言い分があるようですね......。

勇大さん:逆に僕はもっとSNSを利用して欲しい。1日1投稿するって約束をしたのに、守ったことほとんどないよね

conさん:............

沈黙するconさん

――他に何かご不満はありますか?

conさん:その他の不満は特にありませんね。諦めていることが8割かもしれないです(笑)。ある程度は『しょうがないな』って思うようにしています。
それに、私が何か用事があって家事を出来ないことがあっても、彼は『ちゃんと家事してよ』とか言わないでいてくれるんです。その点に関しては、とても助けられています

勇大さん:君が出来ない時は、僕が家事をすればいいことだからね

職場でも家でもずっと一緒のお二人。お互いの疲れや苦労が分かるからこそ、より助け合えるのかもしれません。お二人の会話もほどよくまとまって来たところで...

conさん:シャンプー終わりました!

奥さまからのシャンプー終了です。

シャンプーだけでなく頭皮マッサージもしてもらい、スッキリした表情の旦那さま。

そして次は旦那さまから、奥さまへシャンプー

奥さまの心と旦那さまの頭皮もすっきりしたところで、選手交代!

今度は旦那さまがシャンプーをする番です

――旦那さまにシャンプーをしていただくのはいつぶりですか?

conさん:3年ぶりくらいですかね

勇大さん:そんなに経ってないよー。半年ぶりくらいじゃないかな

――旦那さまは先ほど不満が沢山あるとおっしゃっていましたが......

勇大さん:まず、conさんはケータイを見ない! 本当にケータイを見てくれないからなかなか連絡が取れないんだよね。僕はケータイ中毒なんですけど、conさんはケータイを家に忘れても平気だからねー

conさん:お客様から連絡をいただく場合には必要だけど、それ以外では別に必要ないじゃん

勇大さん:めっちゃ必要あるわ!

conさん:SNSも、間島さんがやってくれてるから私は投稿しないっていうのもあるかも

勇大さん:でも、今はSNSってすごく大事じゃない? サロンとして義務化したいくらいだよ

――結局、それもお仕事での不満ということですね。他には何かありますか?

勇大さん:ブログもちゃんと更新してほしいです。ブログってお客様へのアフターケアだと思うんです。僕らプロが当たり前に知っていることも、お客様にとってはそうじゃないというケースも沢山あるので。
髪を乾かしている最中や、帰る前に髪のケアの仕方はお伝えするんですが、やっぱり全ては伝えきれないし、お客様も一回聞いただけだと忘れちゃうじゃないですか。でもそれが記事になっていれば読み返せますからね

――お仕事以外のところで、何か不満はありますか?

勇大さん:ちょっとおっちょこちょいなところかな

conさん:それはお互いさまじゃん!

勇大さん:お金の管理は全てconさんがしてるんですけど、お財布を今までに5回は忘れてますからね! 1ヶ月に1回は忘れますもん。だからお財布の中身はconさんが管理して、お財布自体は僕が管理するようにしています(笑)

conさん:彼が、私のバッグにお財布を入れてくれるんです(笑)

――それはナイスアイディアですね!(笑)

勇大さん:苦肉の策ですよ。僕もconさんがお財布を忘れたらイライラするし、出先で空気が悪くなっちゃうのはお互い嫌ですからね。言いたいことを言い合える仲はいいことだけど、そもそも不満はない方がいいですからね。不満の種になりそうなことは、その時点で話し合うようにしてます

conさん:そういえば彼、プロポーズの日に指輪を忘れてきたんですよ(笑)

――一番忘れちゃいけないモノを!

勇大さん:一緒の部屋に住んでいたので、バレないように指輪を隠していたらそのまま忘れて来ちゃって(笑)

conさん:シンデレラ城の前でプロポーズされたんですが『今着けている指輪、一瞬だけ貸して』って言われて、ポーズとして指輪をはめられて(笑)。 家に帰ってから、ちゃんとした婚約指輪をもらいました

そんなお茶目で素敵なお話を聞けたところで、シャンプー終了です。

シャンプーを終えてみて

conさん:入籍してからまだそれほど経っていないので、不満の数もあまりありませんでしたが、楽しかったです

勇大さん:大体いつもシャンプーをしてもらう時は速攻で寝ちゃうんで(笑)シャンプーをしながら話し合うってこと自体が新鮮だったので、楽しかったですね!

これまでの二人を振り返って

勇大さん:独立したての頃はしんどいこともいっぱいありましたが、同じ職業なのでその気持ちを分かってもらえました。ずっとポジティブでいれることばかりじゃないですよね。でもそういう時に夫婦で同じ仕事で同じ職場となると、助け合えるし、助けてもらうこともすごく多くて。毎日一緒だとすぐにアクションも起こせるし、問題も解決できるんです

――やはり結婚してよかったと思いますか?

勇大さん:長く一緒にいるせいか、結婚した実感がいまだにあまりないんですが、conさんと一緒にいれてよかったなとはすごく思います。conさんと出会ってなかったらどうなっていたのかな......と思うくらいに、なくてはならない存在です

豪華なディナーを予約したり、特別なプランを立てなくても、夫婦にあった話し合いの時間は作れるようです。結婚記念日、それは「恋人」が「家族」になった特別な日。そんな記念日だからこそ、不満や悩みを面と向かって話し合い、新しい気持ちでこれからの1年を迎えるのも素敵かもしれません。

<取材協力>

株式会社 Gigi (http://gigi-salon.net)
東京都渋谷区神宮前5-12-2

人の話を聞くことと写真を撮ることが大好きなライター。普段は引きこもりがちだが、会いたい人ややりたい仕事があればその地まで引っ越してしまう謎の行動力の持ち主。

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