場面によって全く違う!結婚してから気をつけたいお葬式のマナー

場面によって全く違う!結婚してから気をつけたいお葬式のマナー

お葬式はマナーやルールなどが厳しい場です。結婚して家族を持つと、冠婚葬祭のマナーも独身時代とは異なることもあります。最低限知っておくべきお葬式のマナーについて、ファイナンシャル・プランナーの立場からご紹介いたします。

上司や友人が亡くなった際のお葬式のマナー

上司や友人の訃報に接するのは悲しいことですが、お葬式に出席することで故人に礼を尽くしお別れをすることができます。まずは、慌てずに葬儀の日時と場所、宗教・宗派などを確認しましょう。
日本の場合は仏式でのお葬式が大半ですが、宗派によって焼香の作法や回数などが異なります。
しめやかなお葬式の流れを乱さないように、あらかじめ故人の宗派の基本的な作法を調べておくといいでしょう。
亡くなった方と親しい間柄だった場合は、すぐに弔問に駆けつけても構いません。

通常は、通夜と本葬を合わせて葬式と言います。弔問に伺った場合でも、改めて通夜や本葬に出席するのがマナーです。
故人が会社の上司や同僚、知人の場合、通夜と本葬のどちらかに出席するだけでも構いません。
本葬は火葬を伴うことが多いので、遺族や近親者でない場合は通夜の方が出席しやすいでしょう。
年を重ねるにつれ、夫の上司や友人のお葬式に参列する機会も増えてくるものです。
結婚の仲人をお願いした方や結婚式に主賓としてお招きした方など、生前夫婦でお世話になった方であれば妻も参列する必要があります。
妻が基本的なマナーを守るのはもちろんですが、葬式は家単位で考えるものです。いかに夫が恥をかかず、面目を保てるかを考えて行動しましょう。

喪服は?お香典はどうする?夫婦で参列する場合は?知っておくべきマナーはいっぱい!

お葬式に参列する際は基本的には喪服を着るのがマナーですが、急な葬儀で喪服の準備が間に合わないような場合はダークスーツで出席しても構いません。
ただし、本葬では黒のスーツを着用しましょう。男性の場合、白いワイシャツと黒いネクタイは最低限のマナーです。
女性はストッキングや靴は黒いものを着用し、結婚指輪以外のアクセサリーは外しましょう。
香典は、通夜もしくは本葬のどちらかで持参します。両方に参列する場合は通夜で渡した方がいいでしょう。
香典を包む袋を不祝儀袋と言いますが、宗教によって表書きが違います。
あらかじめ宗教を確認して、仏式の場合は「御霊前」、「御仏前」、「御香典」などと書かれた不祝儀袋を選びます。
不祝儀袋に名前を記す際は、薄墨で書くのが正式なマナー。「涙で墨が薄くなる」という意味があります。
不祝儀袋は「家」を表すといいます。結婚式と違い、夫婦で参列する場合でも包む金額は変わりません。
また表書きには夫の名前を記します。不祝儀袋に包む金額は故人との関係によって異なります。
会社関係者が亡くなった場合は、会社から香典をお渡しする場合もあるのできちんと確認しましょう。

近親者が亡くなった際の葬式のマナー

近親者の訃報を聞いたら、すぐに弔問に駆けつけるのがベターです。
弔問では玄関先でお悔やみの言葉を述べた後、なにかお手伝いできることがないか申し出ましょう。
手伝いが不要であれば、長居をしないのもマナーです。葬儀が終わるまでの遺族の負担は大きく、疲れが溜まっています。ぜひ、遺族の状況を思いやってあげてください。
亡くなった方が近親者の場合、当然ながら通夜と本葬の両方に参列します。喪服を着用しますが、故人との関係が近くなるほど、マナーに即した服装を心がけたいものです。
訃報は突然届くことも多いものですが、普段からきちんとした喪服を1着は準備しておくような心掛けも必要です。
夫や妻の親族が亡くなった場合は、一緒にお葬式に参列するのがマナーです。特に女性の場合、夫の親族のお葬式でも手伝いを求められることがあります。
生前のお付き合いの深さにもよりますが、でしゃばりすぎは控えてあくまでも夫の親族を立てるようにしましょう。
最近では、葬式を近親者のみで行う「家族葬」または「密葬」も増えています。故人と特に親しかったという場合、家族葬に招かれることもあるでしょう。
一般の参列者がいない家族葬では、親族が中心と心得ましょう。無駄な長話などは避けたほうが良いですね。

火葬に立ち会うなら知っておきたいマナー

お葬式が終わると出棺・火葬の流れになりますが、火葬は故人の近親者や生前特に親しかった方などのみが出席することが多いため、立ち会う機会は少ないものです。
だからこそ、火葬に立ち会う際のマナーを覚えておくことは大切なのです。

火葬場へ移動にはマイクロバスなどを使うことが多くなります。火葬に同行する場合は、あらかじめそのことを遺族に伝えておきましょう。
火葬場では棺が火葬炉の前に置かれ、故人に最後のお別れをすることになり、僧侶の読経が行われます。火葬の後、参列者が遺骨を拾うことを「骨上げ」といいます。一般的には、故人と縁が深い順に箸で遺骨を拾い上げて、骨壺に納めます。
どこの骨を拾うか迷ってしまうことも多いですが、骨を拾う順番は地域によっても違いがあるので、必ず係員の指示に従いましょう。
最後に、遺族の代表者が喉仏の骨を拾います。

お葬式は、亡くなった方が旅立つための儀式です。
決められたマナーを守ることで故人の思い出がより強く心に残るものでもあります。
いざという時に恥ずかしい思いをしないように、最低限のマナーを知っておきましょう。

金融関係の出版社勤務を経てファイナンシャル・プランナーとして独立。FPとしての20年の経験をもとに、暮らしにまつわるさまざまなお金の問題に積極的に取り組んでいる。日本FP協会認定CFP。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

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